本が見える

みやこめっせでは今日から春の古書大即売会がはじまっている。あの広い会場を順番にみていると頭がクラクラしてくる。下鴨神社知恩寺よりも本を探す疲労が重いのは屋内の催事だからだろう。けっこうひとも多いしな。いつもそんなに時間があるわけではないので、目と脳が余計に疲れるのだろう。

欲しい本はいくつかあって、背表紙を眺めながら通路を僕は颯爽と歩いていくのだ。

まずは釣りの本(いつも思うのだが山の本のコーナーはあっても、釣りの本のコーナーはほとんどない)とサブカル系の本。そして作家では内田百輭中上健次開高健小島信夫あたりが欲しい本の筆頭だ。あれだけの本があるのだから、ゆっくり見ている間に僕のテリトリーの周辺にも興味のアンテナがひっかかることがあって、実はそっちの方が本面白かとしてはおもしろかったりする。

うん、たくさんの知らない本が並んでるって、それだけで素敵だ。

死ぬまで僕の興味に範囲の中に入ってこない本がある中で、少しづつ僕の守備範囲が広がったり、移動したりして、見たことのない本が視野にはいってくることがある。これまでもそこにあったのに、昨日見えなかった本が突然見えてくることのはけっこう気持ちよくて、本を漁る快感中枢を刺激する。それで、また一層のめり込むことになる。