釣りのガソリン

朝晩の低温が気になるものの日中は好天が続いています。GWの長期予報でも大きな天気の崩れはなさそうなので、GW釣行もとりあえずひと安心。年に1〜2回の貴重な泊まり釣行なので、天気は非常に気になります。

僕も含めて釣り仲間も釣りをはじめた頃は時間があったので、釣りにのめりこむとともに、釣行回数は増え、だいたい金曜の夜、仕事を終えてから出発して、土日の2日間を釣りきって日曜の夜に帰宅するという感じでした。

土曜の朝も夜明け(明るくなりはじめると)と共にテントを抜け出し、朝ゴハンの前に数時間釣りをするほどだったので、時間に余裕(釣れなくて気持ちの余裕はなかったのですが・・・)があったので、知らない川を目指して地図を見ながらあの川はどうだ、この谷はよさそうだと無駄に移動を繰り返していました。

でもその頃は新しい川に竿を出す喜びは格別で、そのたびについに桃源郷に辿り着いたと夢想していました。谷に沿って釣りあがると、一歩すすむごとにまだ見たことのない風景が広がり、艶々とした大きな淵や、深いプールを備えた堰堤、澄み切った流れにいちいち期待は膨らみました。

膨らんだ期待はたいていそのまま爆発することなく萎んでしまうことの方が多かったのですが、地図上には未踏の桃源郷がいくつもありました。地形図から読む知らない川の流れはガソリンとなり、釣りの情熱エンジンを激しく燃やし続けています。

今は早起きして釣りをすることもなく、時間的に余裕がないので、ある程度実績のある川を目指し、そこそこの釣果を得ることで満足しています。それでいいのかと自問しながらGWもひたすら川を目指します。

釣欲をさらに燃えさせるために井伏鱒二の『釣人』を読みはじめました。