トランジスタ・ラジオの朝

いつものように自転車に乗って会社に向っていた。今日も朝から青い空が広がっていて、朝のひんやりした空気が残っていた。iPodから流れてきたのはRCサクセションの「トランジスタラジオ」だ。僕は泣きそうになった。


トランジスタ・ラジオ 作詞/忌野清志郎


うー、授業をサボって
日の当たる場所に いたんだよー
寝転んでたのさ 屋上で
タバコの煙 とても青くて
内ポケットにいつも トランジスタ・ラジオ


彼女、教科書 拡げてる時
ホットなナンバー 空に溶けてったー
あー こんな気持ち あー うまく言えたことがない
ない、あい、あい…


ベイエリアから リバプールから
このアンテナがキャッチしたナンバー
彼女、教科書 拡げてる時
ホットなメッセージ 空に溶けてったー



高校時代から何年たっても歌の圧倒的な力に心を強く揺さぶられる。

今日みたいな日は日のあたる場所に居て、冷たい空気に触れているだけで、気持ちが落ち着いてくるにきまってる。大好きなミュージシャンの大好きな歌があれば、他に何もいうことはない。十分に満たされるということ。この場所から移ればまた、さまざまな軋轢に悩まされるに違いないのだけど、少しの間だけ、過不足のない状態でとどまっているということ。

そういう自分のことを誰かに知ってもらいたいということ。