アメリカン・デス・トリップを読了

mori05022009-04-06

4週間かかって『アメリカン・デス・トリップ』を読了。クライマックスへ向けての奔流は濃密でありながら、次第にアクセルを踏み込んだまま、スピードをあげていった。

至福の時間だった。

それにしても主人公である3人は悪事と謀略にかかわっているのだが、とにかくよく働く。アメリカのみならずベトナムキューバにも行動範囲を広げながら、愛すべきピートは心臓発作に見舞われるほどの過労だったりする。こんなに働かなければならない(しかも悪事)のってしんどくないのか?

「暗黒のLA」4部作である『ブラック・ダリア』、『ビッグ・ノーウェア』、『LAコンフィデンシャル』、『ホワイト・ジャズ』からもう一度読み直したい。極論だがエルロイの一連の作品とジョン・アーヴィングの『ガープの世界』、『ホテル・ニューハンプシャー』があれば、アメリカの現代史は事足りるのではないかと思う。とにかく両者とも快楽をともなった読後の満腹感と、それゆえの次ぎの本が読みたいという空腹感は似ている。

Wikiからたどっていくと「アンダーワールドUSA」3部作の3作目となる『Blood's a Rover』はアメリカで今年の9月22日にリリースが予定されている。