じゃがたらの本
『じゃがたら/陣野俊史』は持っているのだが、最近、増補され表紙カバーがかわったものが再版され店頭にならんでいて、やっぱり欲しくなった。
じゃがたらが同時代的に聴いていたのではなく、江戸アケミがなくなってから聴いた。高校時代は宝島なんかでエキセントリックなステージのことが紹介されていて、そのことから興味を持ったのだけど、僕の田舎にはインディーズなんて届かなかった。レンタルレコードとNHK FMのエアチェックだけが僕の希望だったのだ。
大学で京都に来て、じゃがたらの音にはじめて触れたのはたぶん山本政志監督の『ロビンソンの庭』だったはずだ(そのときは強く意識はしていなかったのだけど)。そして間もなく江戸アケミは死んでしまう。
はじめて手にいれたCDがなんだったのかよく覚えていないのだけど、ファンキーでダンサブルな音に驚いた。もっとどろどろの暗黒舞踏みたいなのをイメージしていたからだ。
陣野俊史の『じゃがたら』は丁寧な言葉で書かれていた。ゆっくりと時間をかけて言葉を選んだ評伝のような気がした。それはじゃかたらの早急なビートとは正反対のものだけど、江戸アケミやじゃがたらに対する尊敬と不在への哀惜に満ちていた。
再版された本を本屋で手に取り、増補された部分を読んだ。それは江戸アケミの墓参を描いた短い文章だった。やっぱり買うことにしよう。
- 作者: 陣野俊史
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2009/03/20
- メディア: 単行本
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