本を読んでトリップ

結局、天気のよい日曜日に僕は古本屋へいったあと、本を読んで過ごした。ジェイムズ・エルロイの『アメリカン・デス・トリップ(上)』。
読み始めるまでずいぶんと時間がかかってしまいった。購入してからもう長いことたつ。何度か手にしながら躊躇したのは上下巻で1200ページを越えるボリューム以外の何ものでもないのだが、今日読み出してすぐに後悔。やはり凄玉のおもしろさ。短いセンテンスで解き放たれる言葉とそこに渦巻く悪のおぞましい匂いに当てられて、アメリカの深部へとトリップすることとなる。

アメリカン・タブロイド』の話がどんなだったかはもうよく覚えていないが、関係ない。アンダーワールドUSA三部作がこの先どうなってもかまわない。『アメリカン・デス・トリップ』の持つドライブ感に身を任せていれば、極上の読書を味わえる。

ブラック・ダリア』から続く“暗黒のLA四部作”もそうだった。

エルロイの言葉の持つ強度とその中毒性に、イチコロだ。いろんなひとが矢継ぎ早に出てくる導入部さえクリアすれば、あとは加速しながらブレーキもかけず、ひたすらアクセルを踏みっぱなしにすればいい。

アメリカン・デス・トリップ 上 (文春文庫 エ 4-13)

アメリカン・デス・トリップ 上 (文春文庫 エ 4-13)