『ミスター・ロンリー』を観た

mori05022008-04-30

■先週、みなみ会館で『ミスター・ロンリー』を観た。ハーモニー・コリン監督の久しぶりの新作故に期待していたのだが、モノマネ芸人の恋以上でも、それ以下でもなくデビュー作『ガンモ』での才気は感じられなかった。マイケル・ジャクソン芸人がマリリン・モンロー芸人に恋をする下りまではよかったのだが・・・。そこからモノマネ芸人の住むお城みたいなところへ行ってしまったのが映画が閉塞してしまった原因じゃないのかな?

■『ガンモ』で感じたアメリカという国が内包している現実に対する違和感、そしてその気持ちの揺れから来るざらざらとした不安のようなもの。ああいう映画はデビュー作だから撮れたのだろうか?インタビューで「もう映画作りをやめようと思ったんです。もう何も言う事は残ってなかったし」と語っていたのが気になる。今作はリハビリのようなもので、本当の復活は次ぎの作品になるといいのだが。

■同じように若くデビューした後、すっかり寡作になったレオス・カラックスがマイケルのマネージャーとして出演してました。彼の新作もいったいいつのことになるのか・・・。

■『ミスター・ロンリー』の前に観た予告篇で気になった映画があった。ガス・ヴァン・サント監督の『パラノイド・パーク』はあいかわらずアメリカの空気をざくざく切り取っているようでおそらく期待通りの作品になっているに違いないのだが『非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎』という映画が凄そうだ!

■1973年に亡くなったヘンリー・ダーガーという老人が残した15,000枚を超える小説、3メートル以上もある数百枚の絵。彼が生きていた“非現実の王国”。謎に包まれた彼の生涯にせまるドキュメンタリーと彼が残した絵をアニメーション化した映画になっている。予告を観てぶっとびました。みなみ会館では4月29日から公開。

みなみ会館HP
『ミスター・ロンリー』HP
『パラノイド・パーク』HP
『非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎』HP

ガンモ [DVD]

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ヘンリー・ダーガー 非現実の王国で

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