「蹴りたい背中」を読んだ。

mori05022008-04-06

■近所の古本屋を巡って買ったのは「牧野植物図鑑の謎/俵浩三」(平凡社新書200円)、「新しい天体/開高健」(新潮文庫140円)、「恐竜の発見/エドウィン・H. コルバート」 (ハヤカワ文庫NF200円)、「眠れる人の島 /エドモンド・ハミルトン」(創元SF文庫200円)。ブックオフで買うより安いよ!

坪内祐三の「文庫本福袋」を読んでいると僕の知らない本の世界があって、なにやらおもしろそうでまた欲しい本が増えてしようがない。問題なのは本を買っても読む時間があまりに少ないということだ。

綿矢りさの「蹴りたい背中」を読了。綿矢りさのルックスを主人公ハツのイメージに投影してしまうのは、たぶん間違いで、ハツはきっとかわいくない女子高生だ。女子高生というより中学生みたいな高校生だ。授業の合い合間の10分が長く長く長く感じられ辛いのに強がってひねくれて、自分を正当化してるけど、きっとたいして印象の残らない子に違いない。でも印象に残らない子にも思春期的青春はある。しかし、思春期的青春らしいエピソードがまったくない子だって大勢いる。

■印象に残らないのは僕も同じようなものだったに違いないが、僕も高校生の頃を思い出そうとしても、クラスメイトの名前も顔もほとんど忘れている。高校時代のエピソード?思春期的青春??僕は僕の自我のようなものを肥大化させて自分だけは違うと思っていたのだ。みんなはどうなんだ?

■ハツはサド的指向があって、にな川は蹴りたくなるような背中の持ち主でふたりの関係はこの先、展開もなにもないのかも知れないが喜国雅彦の「月光の囁き」のような関係に進展するのかも知れない。

蹴りたい背中 (河出文庫)

蹴りたい背中 (河出文庫)