病気と手紙

 お盆にひいた風邪がまだよくならない。頭がぼんやりしている。鼻水が止まらない。それにこの週末はひどい下痢に襲われた。あんまりひどすぎてブログに書くのがはばかれるような内容だ。それに加えて、お盆前の健康診断で再検査の結果が出た。病気が行列になってやってきた。夏祭りの季節はもう終わったというのに、病気たちは、僕の身体のなかでいったい何をおっぱじめようというのだろう。


昔、福武文庫で「人間みな病気」というアンソロジーがあった。筒井康隆が選者だった。この本も含めて、当時の福武文庫にはいくつもアンソロジーがあったのだけど、最近、ランダムハウス講談社文庫で再刊行されている。なかでも僕のおすすめは「手紙読本」。夏目漱石の礼状や内田百けんの無心状、谷崎潤一郎の恋文、太宰治の懇願状、森鴎外の遺書などがあって興味深い。ひとのプライベートな手紙を覗き見するなんで不謹慎だけど、不謹慎だからこそおもしろい。

僕は手紙なんてずっと長いこ書いていない。このブログは誰に宛てたのでもない私信のようなものかも知れないけれど、まったく意味なんかない。ときどき悲しくなるくらい。