桐野夏生と古本

桐野夏生の『I’m sorry,mama』を読了。あいかわらず桐野夏生の人物造形は底抜けに怖ろしい。一気読みしながらときおり胸は悪くなった。

最近、古本のことばかり考えていたせいだろうか、『I’m sorry,mama』にまで古本のネタがあって驚いた。主人公のアイ子が太宰治の『人間失格』の初版本を手にいれ、古本屋へ持っていくと25万円の値がついたというエピソード。買取が25万ということは、売値はいったい・・・。

それにしても古本の罠がいたるところに仕掛けられているような気がして怖い。週末もちょっと散歩に出ただけなのに、近所にいくつか古本を売る店があるものだから、立ち寄ってしまう。病気が進行していることは間違いない。